ML'sGarally '03年8月

 殆どが街乗り使用だといっても、MLは「やはり野に置け、、、」と思う。
 


撮影:toysさん

 チェロキーとパジェロ。オフロードSUVを代表する車種ですが、ふと考えると、MLと同じメーカー、あるいはメーカーグループなんですね。チェロキーは旧クライスラー傘下のブランド「Jeep」ですし、三菱自動車はとうとう「ふそう」を売却しDCグループの血を濃くしています。

 合併やグループ連合の強みを発揮したいなら、MLを含めた3車種を統合して、部品の共有化を進めるでしょうね。それぞれが似たような性格の車を造って競合している現状は、正直首を傾げたくなります。

 一方、一オーナーとしては次期MLがどんな車になるのか、気にかかるところです。
 3台を足して割り戻したような中途半端な車になるのか、他に比類の無いSUVとして再出発するのか、不安と期待を以って見守っています。

 ラダーフレームを持ったSUVというのも、マスプロダクトとしてはトヨタハイラックス/プラド/ランドクルーザーを除けば、MLくらいでしょうか。四輪独立懸架で脚が短いことを除けば、かなりの走破性を秘めていることは、オフロードコースに出たことのあるメンバーが等しく感じているところです。
ヒルクライムねこばす号@モビリティーパーク
 MLを購入した理由を、ディーラーさんやメンバーさんに取材する中で、一番痛快なエピソードがあります。

 瀬戸内海地方はここ十年来の異常潮位が続いていて、彼岸の大潮と満潮が重なると高潮が頻発。海沿いの工場や住宅地が水浸しになってしまいます。更に台風が重なったりすると、超強力掃除器よろしく水面を吸い上げる為、かなり内陸まで海水が侵入してきます。安芸の宮島・厳島神社が水没して拝観停止になったニュースをご覧になった方も多いでしょう。

 臨海地帯の工場の社長さんなんですが、高潮発生時にまともなセダンのメルセデスでは帰れなくなり、頭にきてMLを買ってしまったというのです。
 海水が押し寄せて浸水した道路を、慎重に、でも着実に水を左右に切り分けて進んでいくML。自分の愛車で実践しようとは思いませんが、とてもMLらしい使われ方、MLの実力を発揮させてあげているオーナーさんだなと思います。
 

 MLのドレスアップ、というとAMG仕様のパーツをつけたり、ローダウンして各種チューナーのエアロパーツをつけたり、というのがメインストリームになりがちですが、荒野を駆ける、海岸に行く、緑のフィールドに置いてみるのなら、特別なドレスアップやチューンナップは必要ありません。8月号の画像のように溢れる緑が、荒野を駆けぬけてきた証の泥が、水平線に沈む夕日の色が、MLをドレスアップしてくれます。

 皆さんがオーナーであるうちに、一度でもMLの実力を発揮させてあげてください。
 きっとMLの魅力と能力の高さを、再認識されるはずです。


photo:toys/nekobasu320/CJ
essay:nekobasu320
CJ号

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