願わくば花の下にて、、、、、 撮影場所:石川県金沢市 |
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願わくば花の下にて春死なん その如月の望月の頃 西行法師 |
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儚い桜の花だからこそ、精一杯見届けてやろうと思う。その桜を、あと何十回かしか見ることのできない自分なのなら、せめて後悔しないように生きていきたいと、毎年思うのです。 桜の花を「潔さ」の象徴と捕らまえ、自決や自爆攻撃を美化する向きもありますが、本来逆のような気がします。 |
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冒頭の西行法師にしても、道楽も風流も何もかも楽しみ尽くして出家し、それでもなお美しい花の下で生涯を閉じたいという、貪欲なまでの執着に裏打ちされた美意識です。 桜に限らず、美しいものを愛でたいのなら、人生を放棄しないことが大前提。人間が散りゆく桜であっては、桜を愛でる人が居なくなってしまいます。 |
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私の好きな桜は、京王井の頭線井の頭公園駅下りホーム後ろの桜と、大泉学園商店街の桜並木です。 駅の桜は、満開を過ぎると急行電車が通過するたびに、花びらの嵐が巻き起こります。 商店街の桜並木は、夜の渋滞のなか、サンルーフを開け放って車内から夜桜見物をするのがベストです。 |
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家に帰りついてから、シフトノブのところに花びらが一つ、落ちているのに気付きました。 |
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photo:バロン@toyama カービング ねこばす320 essay:nekobasu320 |